MIDI シーケンサーが初めての人向けです。順に進めると、短いループが 1 曲の形になります。ブラウザで MIDI Studio を開き、並べて読んでください。

MIDI とは

MIDI は音そのものではなく、「どの音を、いつ、どのくらいの強さで、どの楽器で鳴らすか」という演奏の指示です。シーケンサーはその指示を並べて記録し、音源がそれを読んで音を出します。

  • 音の指示はノート。高さ(C4 など)、位置、長さ、強さ(ベロシティ、1〜127)を持ちます。
  • 楽器は音色(Program Change)で選びます。ピアノ、ベース、ストリングス……GM 規格で 128 種類あります。
  • トラックは楽器ごとの「段」。各トラックはチャンネル(1〜16)で音源とつながり、10 チャンネルはドラム専用です。
  • 曲の速さはテンポ(BPM)、拍のまとまりは拍子。位置は「小節 . 拍 . Tick」で表します。

指示だけを記録するので、あとから音色やテンポを変えても演奏はそのまま残ります。ファイルも小さく(数十 KB)、.mid として他のソフトとやり取りできます。

画面の見かた

  • トランスポート(上): 再生・停止・録音、ループ、現在位置、テンポ、メトロノーム、シークバー。
  • トラックビュー(中): 曲全体。左にトラックの一覧、右に時間が流れ、ノートの入った範囲がクリップとして見えます。
  • エディター(下): 選んだトラックの中身。タブでピアノロール・ドラム・リスト・ミキサー・コンダクターを切り替えます。
  • インスペクター(右): 選んだトラックの名前・色・チャンネル・音色。

迷ったら Esc で編集モードに戻り、Ctrl+Z で元に戻せます。

MIDI Studio の画面全体
① トランスポート ② トラックビュー ③ エディター ④ インスペクター

1. 最初の音を置く

  1. 起動ダイアログで「新しい曲」を選び、「開始」。ピアノ・ベース・ギター・ドラムの 4 トラックが並びます(まず完成した曲を聴きたいときは「サンプル曲」)。
  2. トラックビューで「ピアノ」をクリックして選びます。下のエディターが「ピアノロール」になっていることを確かめます。
  3. エディターの上にある編集グリッド(最初は「1/16」)を 1/4 にします。クリックで置くノートの長さは、このグリッドの長さになります。
  4. P で描画ツールにし、左の鍵盤で C4 の段の、1 小節目の先頭をクリック。4 分音符が 1 つ置かれます。
  5. 同じ段で右に 3 つ、続けて置きます。1 小節が 4 分音符 4 つで埋まります(クリックしたままドラッグすると長さを伸ばせますが、ここでは伸ばしません)。
  6. Space で再生。もう一度 Space で止まり、Enter で先頭に戻ります。

ノートを動かすには V で選択ツールにして中央をドラッグ、消すには選んで Delete。置く場所はグリッドに吸い付きます(スナップ)。

起動ダイアログ
① 新しい曲 ② 開始
ピアノロールに C4 の 4 分音符を 4 つ置いたところ
① 描画ツール ② C4 の段 ③ 置いたノート(4 分音符が 4 つ) ④ 編集グリッド 1/4

2. リズムを足す

  1. トラックビューで「ドラム」を選びます。エディターが「ドラム」になり、楽器名のレーンが並びます。
  2. 編集グリッドを 1/8 にします(ハイハットを 8 分音符で置くため)。
  3. Bass Drum 1 のレーンで 1 拍目と 3 拍目をクリック、Acoustic Snare のレーンで 2 拍目と 4 拍目をクリック。
  4. Closed Hi-Hat のレーンで 8 分音符ごと(1 小節に 8 つ)にクリック。
  5. L でループを ON にし、Space。1 小節目が繰り返し鳴ります。ループの範囲はトランスポートの「小節」の数値か、ルーラーの端をドラッグして変えられます。

ドラムは音の高さが楽器の違いになります(C1 = Bass Drum、D1 = Snare……)。これが 10 チャンネルの決まりです。右のパッドをクリックすると音を確かめられます。

ドラムエディターに 1 小節のパターンを置いたところ
① Bass Drum 1 ② Acoustic Snare ③ Closed Hi-Hat ④ ループ ⑤ 編集グリッド 1/8

3. ベースとコード

  1. 「ベース」を選び、編集グリッドを 1/4 に戻して、ピアノロールの C2 の段に 4 分音符を 4 つ置きます(1 小節ぶん)。
  2. 「ピアノ」に戻り、1 章で置いた 4 つのノートそれぞれの上に、E4 と G4 を置きます(1 拍につき C4・E4・G4 の 3 つ、合計 12 個)。C・E・G が同時に鳴ると C のコード(ドミソ)です。
  3. 2 小節目を作ります。ピアノロールをクリックしてから Ctrl+A で 1 小節目のノートをすべて選び、Ctrl+D で複製。同じものが 2 小節目に置かれ、選ばれた状態になります。そのまま ↑ を 5 回押すと 5 半音上がり、F4・A4・C5(F のコード)になります。
  4. ベースも同じです。「ベース」を選び、ピアノロールをクリックしてから Ctrl+A → Ctrl+D → ↑ を 5 回で、2 小節目が F2 になります。
  5. ドラムも 2 小節にします。「ドラム」を選び、Ctrl+A → Ctrl+D。2 章で作った 1 小節のパターンが 2 小節目にも入ります(↑ は押しません)。
  6. トランスポートの「小節」の右側の数を 3 にします(1 〜 3 で、1・2 小節目を繰り返し)。Space。C → F と進むだけで曲らしくなります。

ノートを選んで Ctrl+C → 再生位置を動かして Ctrl+V で貼り付け、Ctrl+D で複製(選んだ範囲のすぐ後ろに)。↑↓ で半音、Shift+↑↓ でオクターブ移動します。

ピアノロールの C と F のコード
① 編集グリッド 1/4 ② 1 小節目は C・E・G ③ 2 小節目は F・A・C(複製して ↑ 5 回)

4. 音色とテンポ、音量

  • 音色: トラックを選び、右のインスペクターの「音色」から選びます。ピアノを Electric Piano 1 に、ギターを String Ensemble 1 にすると雰囲気が変わります(ギターはまだノートが無いので鳴りませんが、あとで弾くときのために選んでおきます)。
  • テンポ: トランスポートの BPM をクリックして数値を入れます。120 がふつう、90 でゆったり、140 で速め。曲の途中で変えるときはコンダクターで。
  • 音量と左右: 「ミキサー」タブで Volume と Pan を動かします。再生しながら動かせます。

音色は曲の先頭に Program Change として、音量は CC として保存され、MIDI ファイルにも入ります。

音色の選択と BPM、ミキサータブ
① 音色 ② BPM ③ ミキサータブ
ミキサー
ミキサー: トラックごとの Volume・Pan・Reverb・Chorus・Expression

5. 弾いて入れる

クリックで置くほかに、キーボードを楽器にして弾けます。

  1. Alt+K で入力モードを「鍵盤」に。下段 Z〜M が C4〜B4、上段 Q〜I がその 1 オクターブ上。↑↓ でオクターブを変えます。
  2. 「ピアノ」の R(録音待機)を押し、R で録音開始。カウントイン 1 小節のあと、弾いた音がそのまま入ります。R で停止。
  3. タイミングがずれたら、ノートを選んで Q。編集グリッドに揃います(クオンタイズ)。
  4. Esc で編集モードに戻ります。鍵盤モードの間は 1 文字のショートカットが音になるので注意。

MIDI キーボードがあれば起動ダイアログで「使う」を選ぶだけで同じことができます。ドラムは Alt+R の「パッド」モードで。

鍵盤モードと録音待機、録音ボタン
① 鍵盤モード ② 録音待機(R) ③ 録音

6. 曲の形にする

  • 2 小節できたので、これを 4 回並べて 8 小節にします。トラックビューで、クリップの無い空いているところ(たとえばドラムの下)から左上へドラッグすると、ピアノ・ベース・ドラムのクリップをまとめて選べます(ギターにはまだノートが無いので、クリップもありません)。Ctrl+D で、そのすぐ後ろに複製されます。複製されたクリップが選ばれた状態になるので、続けて Ctrl+D をあと 2 回押せば 8 小節です。1 つだけなら Alt++ドラッグでも複製できます。
  • 変化をつけたい場所だけノートを変えます。ベロシティを変えると強弱がつきます(ピアノロール下の Velocity レーンをドラッグ)。
  • 機械的すぎると感じたら、ノートを選んで 編集 › ノート › ヒューマナイズ…。位置と強さが少しだけ揺れます。
  • マーカー(トラックビューのマーカー行の右クリック、またはコンダクター)で Intro / A / B と名前を付けておくと迷いません。

ここまでで、C と F のコードが交互に 4 回、8 小節の曲になっています。

トラックビューで 3 トラックのクリップを範囲選択したところ
① 空いているところからドラッグして、ピアノ・ベース・ドラムのクリップをまとめて選択(ギターは空)

7. 保存と書き出し

  • Ctrl+S でブラウザに保存。次に開いたとき起動ダイアログから続きを選べます。
  • ファイルとして残すなら ファイル › .midstudio として保存…。他のソフトに渡すなら MIDI を書き出す…(.mid)。
  • 音として聴かせたいときは WAV を書き出す…。

ブラウザの中のデータは、そのブラウザのサイトデータを消すと一緒に消えます。大事な曲はファイルにも残してください。

ファイルメニュー
ファイルメニュー: ブラウザに保存、.midstudio として保存、MIDI / WAV の書き出し

次に

  • ファイル › サンプル曲 で VISION や Merry X'mas For You! を開くと、20 トラックを超える曲の作りが見えます。手元の .mid は ファイル › MIDI を読み込む… で。
  • 数値で正確に入れたいときは「リスト」タブ。レコンポーザ流の MEAS / STEP / NOTE / ST / GT / VEL で、PC キーボードだけで打ち込めます。
  • T のビジュアルモードで、再生しながら全トラックを眺められます。
  • 細かい操作はヘルプ(F1)に、GS 音源の SysEx はヘルプの「GM / GS」にまとめています。